2022/8/10に、6358酒井重工業(筆者もわずかながら保有しています)の1Q決算が発表されました。決算数値は以下の通りです。(決算短信より抜粋)
Q 売上 営利 純利 EPS
1Q実績 68.6億 4.4億 4億 95円 ※過去最高
2Q予想 71.4億 2.1億 0 0円予想
下期予想 153.3億 8.5億 9.5億 129円 ※
※EPSは昨期336円(通期) → このうち87円分は特別利益なので実質249円
※※EPS(1株当たりの利益) = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数
また、今回の決算説明資料(14p)に以下の表記がありました。各々に対する私の解釈を右記します。
・ 世界的インフラ投資拡大する中、世界の建設機械需要は底堅い回復基調 →海外売上◎
・ 更なる部材価格上昇とサプライチェーン見直し圧力の高まり →売上◎
・ 価格改定の浸透とコスト低減、収益構造改革を推進 →売上◎、営利◎
・ サプライチェーン強靭化と国内生産能力拡大による製品供給力強化 →国内売上◎(シェア1位)
・ 当期純利益は、一過性の繰延税金資産計上381百万円が剥落 →純利▼(ただし4Q)
投資家にとって大事なことは、「2Qの数字は期待できそうか?」です。万が一、上方修正がありそうならば、有力な投資先になりそうです。
説明資料を踏まえると、「酒井重工業の2Qは最低でも1Qと同値は見込める。」(下回る可能性は低い)と判断しました。主な理由は以下の通り。
・1Qは円安が利益押し上げた面はあっても、国内売上比率も大きく影響はやや少ない
・1Qで上期のEPSを既に達成した。需要の先食いをしたなどの表記もないので2Qdで落ち込むことは考えづらい
・説明に「営業利益率の改善ペースが遅れており」という表記があるが、4-6月期はコスト増を吸収した(今Qはコスト増で営利低下した企業が激増)ので謙遜だと捉える。(願望込み)
以上から、2Q想定にあたって「1Qの2倍だ」と単純計算することにも、妥当性はあると考えました。具体的な予想数値は以下の通りです。
上期(筆者の予想) 売上135~141 営利6.6~8.9 純利4.0~8.0 EPS 95~190 です。
これは上方修正ラインだと思います。(レンジ表記で失礼。ただレンジ表記でもいいから、予想するクセをつけた方がいいと信じてます)
■一方、この銘柄には投資家には見過ごせない特徴があります。配当性向です。
<配当性向のおさらい>
配当性向(%)=配当金支払総額÷当期純利益×100
配当性向(%)=1株当たり配当金÷1株当たり純利益(EPS)×100
以前から当社(酒井重工業)は、配当に対する方針を明確にしています。
この情報から、配当利回りを計算します。今期のROEは6%超えと現時点では見込まれています。(資料より。)つまり配当性向は"50%"が有力です。
この時、利回りはいくらになるでしょうか?
上の計算式を変形すると、1株当たり配当金=0.5*EPSです。
EPSはここまで見た通り、現時点での計算式は1Q*4が最も妥当だと考えられます。(多分…)従って、EPS=95*4=380円ですから、配当金は190円という計算です。
現在の会社発表値が165円。15%の増配が見込まれるかもしれません。
一方で、当社は昨年5月の増配発表時にも株価は上がらなかった(むしろやや下落した)です。やはり、チャートも頭に入れつつ、妥当な株価(レンジ)を思考していかねば、と思う筆者でした。(時間切れの為ここで脱稿。)