メールでもレポートを書く。その重要性の割に
意外と見落とされていることがあります。それが「書き出し」です。
自分が読むときは、最初からしか読まないってこと、多くありませんか。
読者をひきつけられるかは書き出しで決まってきます。
とはいえ、何を意識して面白い書き出しを作れるのか、
いまいち分かりづらいと思います。
ここでは「面白い」ものと「いまいちな」ものの事例を引きながら、
その違いにひそむ秘訣を探っていきましょう。
■よさそう、読みやすそう、読んでみたくなる書き出しの例
・むつかしいことをやさしく書く。これが、文書の奥義です。
・私の頭を常に悩まされる問題とは、文章をどう書き出すかということだ。
・昨年の7月25日に、災いはやってきました。5年間の絆がその時まさに切れようとしていたのです。
・就職活動でうまくいくために、ちょっと変わった「スラムダンクの法則」というものをお伝えします。
→少しいまいち。
・「適塾」という、むかし大阪の北船場にあった蘭医学の私塾が、因縁からいえば国立大阪大学の前身ということになっている。(花神 司馬遼太郎)
・「小嬢さまよ」と、源爺ちゃんが、この日のあさ、坂本家の三女の乙女の部屋の前にはいつくばり、芝居も土器の神妙さで申しあげたものであった。(竜馬がゆく 司馬遼太郎)
・どの学問においても論理学ほどに、先入見なしに事柄そのものから始めるという必要が強く感じられるものはない。(ヘーゲル 大論理学)
■イマイチな書き出し。
・文を書くとき、どうやってはじめたらよいか、いつも悩んでしまう。
→悪くは無いが、なんか(ムダに)暗い。相手へ驚きは与えなくて困惑のような印象を持ってしまうかも。
・人と人との関係性を決定するのは、コミュニケーションの量と質である。
→抽象論過ぎるうえに、理解になって共感がしづらい。左脳的に考えないといけない。
・島田紳助がやっていることは、小さな「つ」を大切にしてリズムを完璧にすることだ。
→イメージがしづらい。飛散していて意味が取れない。あとの続きかたを工夫する必要あり。
・何の文章について書くかということほど、私の頭を悩ました問題はありません。
→書き手の「お前」の話にしては若干暗い。それはいいから読み手がイメージや「?」と思えるもの、テーマに関連しそうなものを書けよ。
■発見したポイント
・感想からの書き出しは面白くない。「私」中に入れるのであれば、物語の登場人物の一人としての扱いが関の山である。自分について語るのはわるくは無いが、面白さに気を配らねばならない。