「仕事」を分からずに仕事をするな −知的ストレッチ入門 by日垣隆
■「仕事では考える力が大事」は叫ばれ続けるわけ
結局、みな大切だと思っても、なかなかそうはいかないわけです。
学生はロジカルシンキングのセミナーに数多く行っていますし、
スキルアップという言葉に誘われる人も後を絶ちません。
自分の力を高めようとする人の数は年々増えています。
しかし、彼らにおいて決定的にかけていることがあります。
それは「継続的な」知的取り組みをしていないこと。
どんな素晴らしいトレーニングを教えてもらったとしても、
それを1日だけしかやらなければ、スキルなんて高まるわけがありません。
(もとBCGのトップコンサルタントも言っていました。)
スポーツもしかり。体力をつけようとして、一日だけ滅茶苦茶に走りこんだとしても、
激しい筋肉痛に見舞われるだけでしょう。
筆者も大学4年次に企業で働いていた際7月にインターン先を卒業し
10月に別の会社で働きはじめてから、その3ヶ月でえらく落ち込んだ経験があります。
だから、本当の意味で知的な力をつけようとする人に必要なのは
続けられる「しくみ」をつくることです。
この本は、20年以上にわたってジャーナリストとして第一線で活躍する
著者によって書かれた知的に生きる力を伸ばす方法です。
■「仕事」とは何か
仕事でなかなか評価されないなと考えている方は、
仕事とは何なのか。まず押さえておかねばなりません。
本質的に分かっていないものに対して、評価をもらうことは
不可能です。そして評価を上げないことに年収が上がることもない。
加えて言うと、自分が一つのタスクを終えた後、その次に何の仕事をすればよいか、
分かっていないのも、ここを本当に理解していません。
仕事として成立するものとしないものを分けているのは何かと言えば、
要素としては2つしかない。
「依頼と締め切り」があるかどうか。
この2つが本質的なことであって、これ以外の定義は重要ではありません。
つまり、クライアントから受けたニーズを踏まえて、
期限までにその質が(自分から見て)高いか低いかは、本質的には関係ありません。
そのほかの基本は
・相手の言っていることを正確に把握すること
・いったん本を読むこと、です。
この本を使って仕組み脳を鍛えましょう。