株式投資記録

http://d.hatena.ne.jp/show_t/20170219 努力する人間になってはいけない。このブログでノウハウを集約、整理し、習慣化。それ即ち大儲けも習慣化! いつも心にセリクラを!!!   2018最終日 NK20014 TPX1494

勉強61 売文生活

お金も、自由も。
  ――「売文生活」 by日垣隆


当初は、文章を売るとは?その営業術み見たいなことを期待し本書を手に取った。
どうやってライターになるの?とか
本を出して稼ぐにはどうしたら良いのか? といったことだ。

本書にあること

しかし、その期待は早速はずれた。

ここで扱われていたテーマはもっと奥深いものだったからだ。
夏目漱石の時代まで遡って、原稿料の検証を行う執拗さ。
こりゃ、あまり参考にならんかも…と思っていた。最初は。

ただ、著者の執筆スタンスとして良いなと感じたのは「数字を大切にする」と言うことだ。
例えば、400字詰め原稿の値段については徹底的に調べ上げている。
そこでお金の話題にもたっぷり触れている。特に著者はこう言っているほど。

物書きになってから10年ほどの間、原稿の依頼時に「おいくらですか?」と
聞くことを私は敢えてしていました。

この、キレイゴトではなく生活から逃げないこだわりが、私をして、この書評を書かしめた。

そもそも文筆業で食いたい人間は、自由に対するこだわりが半端ではない。
となれば必然、関心の強い話題は「お金をとるか、自由をとるか」へと収斂してゆく。

だからこそ、この本の真骨頂は最終章、タイトルもズバリ「お金も自由も」。
そこにある。著者はこう言い切っているのだ。

私が本書で考えてみたかったのも、文学や文子の変遷そのものではなく、
それらを踏まえた「ビジネスモデルとしての売文生活」です。

著者は、客観的な目でフリーランサーを評価している。

多数の社から依頼されるフリーランサーのほうが、一社のもとに属する社員または契約記者より、
自由度が高いと言う傾向は確実にあるでしょう。(中略)自営業者としてのリスクヘッジの問題と
考えたほうが、ずっと現実的なのではないでしょうか。

結論から言えば、売文によって生計を立てるためには、どうすれば良いのか。

それだけの原稿料を払ってでも載せたい、という原稿を書いていくほかないのではないでしょうか。
あるいは、採用される質を前提として量をこなすか、単行本にして印税を上乗せし
実質的単価を上昇させてゆく、という方法もあります。

それを志す人間は、いかなる場合でも逃れられないことを、
5000円札の肖像を持ってきて紹介されている。

断崖絶壁に立った一葉は、明治二七年の暮れを越すため、短編「大つごもり」を書くことにします。
(中略)
まさに「大つごもり」は、一葉にとって最も切実な生活苦と金銭の問題を初めて素材にした小説でした。
(中略)
こうして一葉は、ニ三歳で日本初の女流専業作家となり、ニ四歳で散りました。

表現者として自由に生きることを志向する人間とは、いつ、どこでも
この問いを自分に課し続けられる人ではないだろうか。