勉強●● 精神現象学 その1
論理で貫かれた文学と称されるこの作品。
私をして精神を自立に向かわしめるべく
「意識」について読みといていく。
1,感覚的確信
「言行一致」はダメ概念である。
よく「有言実行」や「言ったことをやりきろう」のようなスローガン的に上記のフレーズが使われる事がある。
これは良い行為、人に対して推奨さるべき行為なのだろうか。
しかし、思った事を行動に移すというのは実は動物的行為である、
観察の単位を短くすればするほど、人は思った瞬間に行動している。
腹が減った、トイレいきたい、などが最も「思った事とやることが近づいている」例だ。
ただ単に目の前にあるものに動物的に反応するものは、精神のあり方としては低い次元にある。それは「いま」「ここ」でのみ通用する「感覚的確信」と呼ばれる。
(完全に余談だが、ブルーカラー<ホワイトカラーの差を分ける基本となるのも、この部分である。長い計画を立案できるか、バックアップ策を考えているか、(立案側は信用を置かない)計画を従業員に信用させられるか。その仕事の方が難易度が高く報酬も高い傾向にある。)
この感覚的確信は、意識のあり方のひとつであるが、
一般性を欠いたあり方だと言うことができる。一般性を持って対象を捉えることは「知覚」である。
(その1 了)